因子分析の考え方
次のように観測データが得られたとする.
ただし,平均0,分散1に標準化されているものとする.
個体No. |
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変量 の関係をみるため,次のモデルで, 個の因子を考えてみる.
: 変量 (確率変数)
: 観測値 (定数)
: 共通因子 (確率変数)
: 共通因子
の個体
の因子得点
: 因子負荷量 (定数)
: 独立因子 (確率変数)
: 独立因子の得点 (定数)
は互いに無相関とし,また,
と は互いに無相関とする.
: が互いに無相関のとき
: に相関があるとき
(1) を確率変数でまとめて表すと,
期待値を求めると,
ここで,直交解を考えることにする.つまり,
に対し,
また,
より
これらと (2) より,
行列を用いて (1) を表すと,
(3) と (4) の分散と共分散は,
と は推定することになる.ここで, を任意の の正規行列 とすると,
ただし,
つまり,モデル (1) を満たす解
には回転の不定性があることがわかる.
1組の解 が得られたとき,因子の意味付けをするために, で構成される因子軸の回転を行う.