統計学のための数学

固有値と固有ベクトル

Ap 次正方行列とするとき,

Ax=λx    (x0)
を満たす x が存在するとき,λ を固有値,x を固有ベクトルという.固有値は p 個 (λ1,,λp) ある. また,|λEA|=0 を固有方程式という.

固有値と固有ベクトルの性質

A の固有値を λi (i=1,,p),固有ベクトルを xi (i=1,,p) とする.

  1. iλi=trA

  2. iλi=|A|

  3. |A|=0  λi=0, i{1,,p}

  4. A の逆行列 A1 が存在する  λi0 (i=1,,p)

  5. A の逆行列 A1 が存在する  A1 の固有値は 1λi,固有ベクトルは xi

  6. A の固有値 = AT の固有値

対角化

p 次正方行列 A に対し,ある正則行列 P と対角行列 Λ が存在して,

P1AP=Λ
となるとき,A は対角化可能であるという.対角化可能であるための条件は次の通りである.

  1. 固有ベクトルが 1 次独立である

  2. λiλj (ij)

対称行列の固有値と固有ベクトル

  1. 固有値はすべて実数となる

  2. 相異なる固有ベクトルは直交する

  3. 直交行列を用いて対角化可能である

ケーリー・ハミルトンの定理

2 次の正方行列

A=(abcd)
のとき,次を式を満たす.
A2(a+d)A+(adbc)E=0