ベイズ統計学
平均が既知の場合
次のような平均が既知である確率変数を考える.
モデル分布は,
とする.観測値
が与えられたときの尤度関数は,
事前分布として局所一様事前分布を用いるならば,フィッシャー情報量
は,
とおいて,
なので,
とすれば良い.
また,
に対する自然共役事前分布は,次のような形になっていれば良いことが知られている.
一般に,確率変数 が次の確率密度関数
を持つとき,
は尺度母数
を持つ自由度
の逆カイ二乗分布に従うといい,
と略記される.逆カイ二乗分布とカイ二乗分布との関係は,
自然共役事前分布 のもとで の事後分布を求めると,
事前分布として局所一様事前分布を用いるならば,
これより,
ところで, の事後分布が逆カイ二乗分布に従うとき, の事後分布は逆カイ分布に従う.
このときの確率密度関数は,
であり.
と略記される.