第7講 確率過程・時系列解析

定常過程

{Xt} を離散確率過程とする.このとき,

μt=E[Xt]
σt2=Var[Xt]=E[(Xtμt)2]
γ(t,tτ)=E[(Xtμt)(Xtτμtτ)]
である.ここで,次を満たすとき,{Xt} は弱定常であるという.

  1. μtt によらず一定 (E[Xt]=μt=μ)

  2. σt2t によらず一定 (Var[Xt]=σt2=σ2)

  3. γ(t,tτ)t によらず,τ のみに依存 (γ(t,tτ)=γ(τ))

Xt1, Xt2, , Xtn,  の同時分布が Xt1+s, Xt2+s, , Xtn+s,  の同時分布に等しいとき,{Xt} は強定常であるという. ある確率過程が強定常ならば,弱定常でもある.

単に「定常性」を言えば,弱定常を指すことが多い.