統計検定 準1級 例題集 解答/解答例と解説

選択問題及び部分記述問題 問12

問題の要約
  • クラスの人数 : 20人

  • x : 勉強時間

  • y : テストの成績

  • 相関係数 : 0.50

  • 無作為に 10人ずつに分割して,一方で x の平均を,もう一方で y の平均を計算する.

  • 無作為分割を反復した際の x の平均と y の平均の相関係数を求めよ.

解答

答 : ①

20 人のクラスから無作為に 10 人ずつの A と B のグループに 2 分割して,それぞれのグループごとに x, y の平均を求めることを何回か行ったとする.

全体の x, y の平均を X¯, Y¯ とする.

ある試行で求めたグループ A の x, y の平均値を X¯A, Y¯A という確率変数で表し,グループ B の場合では, X¯B, Y¯B と表すとする.

求める x, y の平均値の相関係数を ρX¯A,Y¯B とし,次式より求めることができる.

ρX¯A,Y¯B=Cov[X¯A,Y¯B]V[X¯A]V[Y¯B]

20 人のクラスを 10 人ずつの 2 グループに分割することから,次の関係式が成り立つ.

20Y¯=10Y¯A+10Y¯B
 Y¯BY¯=Y¯A+Y¯
これを用いると,
V[Y¯B]=E[(Y¯BY¯)2]=E[(Y¯A+Y¯)2]=E[(Y¯AY¯)2]=V[Y¯A]
Cov[X¯A,Y¯B]=E[(X¯AX¯)(Y¯BY¯)]=E[(X¯AX¯)(Y¯A+Y¯)]=E[(X¯AX¯)(Y¯AY¯)]=Cov[X¯A,Y¯A]
よって,
ρX¯A,Y¯B=Cov[X¯A,Y¯A]V[X¯A]V[Y¯A]=ρX¯A,Y¯A=ρx,y=0.50