統計検定 準1級 例題集 解答/解答例と解説

選択問題及び部分記述問題 問7

問題の要約
  • 品種 A : 2 本,

  • 品種 B : 16本

  • ある部位の長さ(cm)を測定

  • 2つの品種のその部位の長さに差があるかどうかを検定

  • その部位の長さは正規分布に従い,分散は等しいと仮定

  • 品種A

    • nA : サンプルサイズ

    • x¯A : 平均

    • sA2 : 分散

  • 品種B

    • nB : サンプルサイズ

    • x¯B : 平均

    • sB2 : 分散

平均値 分散
品種A 2.78 0.145
品種B 2.93 0.095
  1. 品種 A と品種 B の箱ひげ図はどれか.

    ※図は省略

  2. 2つの標本をプールした分散 s2 を求めよ.

  3. t 統計量の値を求めよ.

  4. 空欄 (ア) ~ (ウ) に入る言葉は何か.

    有意水準 5 %で両側検定を用いることとする.自由度 35 の t 分布の上側 2.5 %点は 2.030 である.[3] で求めた t 統計量の値から,「2つの品種のある部位の長さに(ア)」という帰無仮説は(イ).よって「2つの品種のある部位の長さに(ウ)」と結論する.

解答
  1. 答 : ②

    箱ひげ図の四分位範囲に品種 A と品種 B の平均値を含むものは,b または c である. 品種 A の方が分散が大きいことから,品種 A が b で,品種 B が c であると考えられる.

  2. 答 : 0.124

    問題文には「分散」とあるが,「標本分散」なので自由度を1つ減らして求めていることに注意する. 2 つの標本をプールした分散は,自由度を 2 つ減らして nA+nB2 として計算する.

    s2=sA2×(nA1)+sB2×(nB1)nA+nB2=0.145×(211)+0.095×(161)21+162=2.9+1.42535=4.325350.124

  3. 答 : -1.284

    t=x¯Ax¯Bs2nA+s2nB=2.782.930.12421+0.12416=0.150.124×16+2121×16=0.150.124×373361.284

  4. 答 : ④

    H0 :  2 つの品種のある部位の長さに差がない (ア)

    H1 :  2 つの品種のある部位の長さに差がある

    の両側検定を行う.

    t 値が -1.284 であり,棄却限界の -2.030 より小さくないので,帰無仮説は棄却されない. (イ)

    よって,2 つの品種のある部位の長さに差があるとはいえない. (ウ)