統計検定 準1級 例題集 解答/解答例と解説

選択問題及び部分記述問題 問4

問題の要約
  • 政治意識月例調査に回答した 1008人の内閣支持率は 62%

  1. 母集団の内閣支持率の 95 %信頼区間を求めよ.

  2. 信頼区間の幅を狭くするための適切な記述を選べ.

    1. 回答者数を増やす.

    2. 回答者の若者の割合を増やす.

    3. 信頼係数を大きくする.

  3. 真の内閣支持率 : 60%

    内閣支持率の推定値が 62%を超える確率を求めよ.

  4. 内閣支持率の 95%信頼区間の幅が 4%以内となるための標本サイズは何人以上必要か.

解答
  1. 答 : ②

    XBin(n,p) のとき,E[X]=np, Var[X]=np(1p) である. 中心極限定理より,n が十分大きいとき,Xn は,

    E[Xn]=1nE[X]=1nnp=p
    Var[Xn]=1n2Var[X]=1n2np(1p)=p(1p)n
    の正規分布で近似できる.

    支持率 p の 95% 信頼区間は,回答者数を nとすると,

    p±z0.025p(1p)n
    よって,p=0.62z0.025=1.96 を代入して,
    0.62±1.960.62×0.381008

  2. 答 : ① (I のみが正しい)

    「I. 回答者数を増やす」 精度が上がる

    「II. 回答者の若者の割合を増やす」 ×

    「III. 信頼係数を大きくする」 許容範囲が広くなる ×

  3. 答 : ③

    z=0.620.60.6(10.6)10080.020.015431.296
    標準正規分布表より,1.2961.3 より大きくなる確率は,0.09680.1である.

  4. 答 : ④

    信頼区間が 0.04 以下となるための標本サイズ n は,次の条件式を満たす.

    z0.025p(1p)n0.042
    ここで,p(1p)p=0.5 で最大になることから,
    1.960.5(10.5)n0.042
    よって,
    n2400