統計検定 1級 過去問 解答/解答例と解説
2016年11月27日 (日) 試験

統計数理 問2 [4]

設問の要約
  • Y=X1++Xn とする.

  • Y の確率密度関数

    gn(x)={λnΓ(n)yn1eλx(y0)0(y<0)

  • これを利用して,Q~(c)Q(c) の不偏推定量であることを示せ.

    Q~(c)={(1cY)n1(Yc)0(Y<c)

解答例

XiExp(λ) のモーメント母関数 MXi(t) は,

MXi(t)=0etxλeλxdx=λ0e(λt)xdx=λ[1λte(λt)x]0=λλt
密度関数 gn(y) は,ガンマ分布 Ga(n,λ) である. UGa(n,λ) のモーメント母関数 MU(t) は,
MU(t)=0etuλnΓ(n)un1eλudu=λnΓ(n)0un1e(λt)ydu=λnΓ(n)Γ(n)(λt)n=(λλt)n
Y のモーメント母関数 MY(t) は,
MY(t)=MX1++Xn(t)=E[et(X1++Xn)]=E[etX1]×E[etXn]=MX1(t)××MX1(t)=(MX1(t))n=(λλt)n
となり,ガンマ分布のモーメント母関数に一致し,YGa(n,λ) であることがわかる. よって,Y の密度関数は,gn(y) となる.

c>0 であることに注意して,

E[Q~(c)]=Q~(c)gn(y)dy=c(1cy)n1λnΓ(n)yn1eλydy=λnΓ(n)c(yc)n1eλydy
ここで,z=yc とすると,dzdy=1 なので,
E[Q~(c)]=λnΓ(n)0zn1eλ(z+c)dz=eλcλnΓ(n)0zn1eλzdz=eλcλnΓ(n)Γ(n)λn=eλc=Q(c)
よって,Q~(c)Q(c) の不偏推定量である.