統計検定 1級 過去問 解答/解答例と解説
2015年11月29日 (日) 試験

統計応用 問4 [5]

設問の要約
  • 標本 θ1,,θn に基づく μκ に関する尤度を書け.

  • 対数尤度を μ に関して偏微分した式を 0 とおいて得られる方程式の解を求めよ.

解答例

尤度は,

L(μ,κ)=j=1nc(κ)exp[κcos(θjμ)]={c(κ)}nexp[κj=1ncos(θjμ)]
対数尤度は,
(μ,κ)=logL(μ,κ)=log[{c(κ)}nexp[κj=1ncos(θjμ)]]=log[{c(κ)}n]+logexp[κj=1ncos(θjμ)]=nlog[c(κ)]+κj=1ncos(θjμ)
μ で偏微分して,0 とおくと,
κj=1nsin(θjμ)=0
j=1nsin(θjμ)=j=1n{sinθjcosμcosθjsinμ}=cosμj=1nsinθjsinμj=1ncosθj=ScosμCsinμ
よって,κ>0 であるので,μ の推定値 μ^ は,
Scosμ^Csinμ^=0
から求めることができる.これより,
sinμ^cosμ^=SC
tanμ^=SC
となるので,μ の最尤推定値 μ^ は,ベクトル (C,S)T の方向を表す角度 θ¯ となる.